証拠説明書は、書証を提出するときに添える書面で、標準的には書証1点ごとに、号証番号・標目・作成年月日・作成者・立証趣旨を一覧の形で記載します。民事訴訟規則で書証の申出に際して提出することとされている書面ですから、省くわけにもいきません。書き方の型は決まっています——だからこそ、民事訴訟の書面のなかでも「考える余地が少ないのに、時間だけ取られる」代表格になっています。
記載事項の基本
証拠説明書に書くのは、次の5項目が標準的な構成です。
- 号証番号 — 甲第1号証、甲第2号証…と連番で振ります。原告側が提出する書証を甲号証、被告側が提出する書証を乙号証と呼び分けるのが基本です。
- 標目 — その文書の題名。契約書、診断書、陳述書、メールを印刷したものなら「電子メール」など。
- 作成年月日 — その文書が作成された日付。
- 作成者 — その文書を作成した人・組織。
- 立証趣旨 — その書証で何を立証しようとするのか。
このうち立証趣旨だけは事件の組み立てそのものですが、残りの項目は、書証の原本を開けば書いてあることの転記です。なお細かな体裁や枝番の扱いは裁判所や事件によって差があるので、係属部の運用に従ってください。
つまずくのは、書き方より採番と転記
型が決まっているのに、なぜ時間を取られるのか。ひとつは転記の量です。準備書面はできている。甲号証のPDFも揃っている。それでも提出前には、1通ずつファイルを開き、標目・作成日・作成者を確かめて、証拠説明書の表へ1行ずつ打ち込む作業が待っています。書証が数十点ある事件なら、これだけで半日が消えます。
もうひとつが採番のずれです。提出直前に証拠を1点追加する、主張の順に合わせて並べ替える——そのたびに甲第何号証の連番を後ろまで振り直し、準備書面側の引用もあわせて直すことになります。番号のずれは提出直前に見つかることが多く、見つかるたびに全体を確かめ直すことになります。事務員さんに任せている事務所でも、最後の突き合わせは結局先生の目で、という場面は多いはずです。
Astarでは、この転記と採番をAI事務員が引き受けます。
置くのはPDFだけ
準備書面と、甲号証のPDF群。用意するのはこれだけです。契約書、通帳の写し、診断書、メールを印刷したもの——形式の揃っていないスキャンPDFの山でもかまいません。読み取りは従来のOCRに頼らない方式なので、斜めにスキャンされたものや、かすれた文字も読み取りの対象です。整えてから渡す必要はありません。
抽出から採番まで
AI事務員が各PDFを読み、標目(タイトル)・作成日・作成者を抽出します。そのうえで号証を連番で自動採番し、証拠説明書の体裁に整えます。1通ずつ開いて、確かめて、打ち込む——この繰り返しがなくなります。
返ってくるドラフト
号証連番つきの証拠説明書ドラフトです。先生はドラフトを原本と突き合わせて確認し、立証趣旨を書き入れて仕上げてください。転記に使っていた時間を、立証の組み立てと書面の中身に回せます。
この機能は実機能として動いており、導入している法律事務所のヒアリングで実証済みです。
よくいただく質問
画質の悪いスキャンや、斜めに取り込んだPDFでも読み取れますか。
読み取れます。読み取りは従来のOCRに頼らない方式で、斜めのスキャンやかすれた文字、手書きの混じった書証も対象です。そのうえで、抽出結果が原本と合っているかは、ドラフトを確認する際に見てください。
立証趣旨まで書いてくれますか。
いいえ。AI事務員が引き受けるのは標目・作成日・作成者の抽出と号証の採番、証拠説明書の体裁づくりまでです。立証趣旨は事件の組み立てそのものなので、先生が書く前提にしています。
抽出を間違えることはありませんか。
あり得ます。だから出てくるのはドラフトです。提出前に原本と突き合わせて確認してください。ゼロから1行ずつ打ち込む作業が、確認と修正の作業に変わります。
依頼者の書証を預けることになりますが、機密は大丈夫ですか。
依頼者情報は暗号化して扱い、AIの学習には使用しません。契約時にはNDAを締結します。考え方の詳細は https://astarworks.com/resources/security にまとめています。