AI事務員とは、事務所のメール・案件履歴・過去書面・書式といった情報を丸ごと覚え、書面作成・ファイル横断検索・期日管理などの事務作業を引き受けるAIのことです。汎用のチャットAIとの違いは、事務所のことを知っている状態で働く点にあります。株式会社AstarWorksが、法律事務所をはじめとする士業向けに、プロダクト「Astar」として提供しています。
新人はみんな、最初は何もできない
優秀な新人でも、入所初日は書式の置き場所も、その事務所の書面の作法も知りません。事務所のことを覚えて、はじめて戦力になります。
AIも同じです。ChatGPTに仕事を頼んで「イマイチだな」と感じるのは、AIの頭が悪いからではなく、事務所のことを何も知らないからです。どの案件の話か、どの書式で出すのか、前回どう直されたのか——文脈がなければ、優秀な新人でも良い仕事はできません。
AI事務員は、AIに事務所を覚えさせるところから始めます。覚えた分だけ、頼める仕事が増えていきます。
従来のツールとの違い
これまでの事務所向けツールは、「人がツールの使い方を覚える」方向でした。AI事務員は逆です。AIのほうが、事務所を覚えます。
- 入力は一度きり。同じ情報を二度と転記しません
- 通帳を1回読み込めば、財産一覧表・遺産目録・証拠説明書が同じ数字を参照します
- 頼み方は、他人に頼むのと同じです。「あの案件の通帳、財産一覧表にして」で通じます
引き受けること
- 書面の下書き — 財産一覧表・遺産目録・証拠説明書・相続関係図、訴状や準備書面の初稿
- 探し物 — 事務所内の資料の横断検索。「2年前の初回面談で何を聞いたか」への即答
- 期日と進捗 — 事件進捗の自動集約、期限の事前アラート
場面ごとの具体的な説明はユースケース一覧にまとめています。入力は紙・写真・PDF・手書きのままで構いません。
引き受けないこと
法的判断・主張の構成・書面の最終確認は、弁護士(先生)の仕事のまま変わりません。AI事務員が出すのは下書きと下ごしらえで、確認せずそのまま提出する前提の道具ではありません。最終判断をAIに渡さないことは、プロダクトの設計方針です。
機密の扱い
依頼者情報は暗号化して扱い、AIの学習には使用しません。契約時にはNDAを締結します。詳細はセキュリティの説明にまとめています。
よくある質問
AI事務員とChatGPTは何が違うのですか。
覚えているかどうかが違います。汎用のチャットAIは毎回ゼロから説明する必要がありますが、AI事務員は事務所のメール・案件履歴・過去書面・書式を覚えた状態で働きます。同じAIでも、初対面の相手と、3年目の事務員くらいの差が出ます。
どんな事務所で使われていますか。
離婚・相続を扱う法律事務所を中心に、有料で導入いただいている法律事務所があります。社労士事務所など、法律事務所以外の士業でも使われ始めています。
事務員の仕事はなくなりますか。
作業そのものの価値は下がりますが、人の仕事はなくならず、組み替わると考えています。詳しくはAIで、法律事務員は要らなくなるのか?に書きました。
AIが作った書面をそのまま提出できますか。
できません。出てくるのは下書きで、確認と仕上げは先生の手で行う前提です。
導入には何が必要ですか。
特別な準備は要りません。紙・写真・PDF・手書きのままの資料をそのまま扱えるので、「整った電子データにしてから」という下ごしらえが不要です。